巨人・怪人
足長手長 (あしながてなが)
伝承地: 福島県会津若松市
基本解説
脚が極端に長い「足長」と、手が極端に長い「手長」の二人組の巨人です。足長が手長を背負って海に入り、手長が長い手を伸ばして魚を捕るといった協力関係を築いています。
詳細解説
足長手長は、日本各地の山や海に伝わる、異形の特徴を持つ二人組の妖怪、あるいは巨人族です。足長は膝から下が数丈もあり、手長は指先が地面に届くほど長い腕を持っています。この二人は常に協力し合って生活しており、足長が手長を背負って深い海に入り、手長が海中の魚をひょいと掴み上げるという、絶妙なコンビネーションで食料を得ています。会津地方の伝承では、磐梯山に住んでいたと言われ、雲を操り雨を降らせる強大な霊力を持つ存在として畏れられていました。中国の伝説にある「長脚人・長臂人」が日本に伝わり、土着の信仰と結びついたものと考えられています。個性的すぎる身体的特徴を持ちながら、互いの欠点を補い合って生きるその姿は、どこか微笑ましくもあり、共生の知恵を感じさせます。霧深い山並みや、遠い水平線の向こうに、今も巨大な影が並んで歩いているかもしれません。自然のスケールを感じさせる、雄大な妖怪たちの物語です。
伝承・民話
会津の磐梯山に住む足長手長は、かつて村を荒らしていましたが、弘法大師(あるいは高僧)によって封印されたと言われています。また、各地の神社では、夫婦和合や協力の象徴として彫刻に刻まれることもあります。
出典・考証
和漢三才図会 信州・会津の民話
伝承地マップ
※地図上の赤い円は、その妖怪の主な影響範囲または伝説の広がりを示します。