解説
日本三大怪談の一つ『東海道四谷怪談』の主人公として、あまりにも有名な幽霊です。夫である伊右衛門の裏切りと毒殺によって、顔が醜く腫れ上がり非業の死を遂げた女性の怨念が描かれます。提灯から顔を出す「提灯お岩」などの演出は江戸時代の歌舞伎でも大人気となりました。しかし、実在のモデルとされるお岩さんは、江戸初期に実在した田宮家の娘で、家計を支え夫婦仲も睦まじい賢妻であったと言われています。彼女の死後、家系が栄えたことから「家内安全」「商売繁盛」の利益があるとして、新宿の「於岩稲荷田宮神社」には今も多くの参拝者が訪れます。フィクションとしての恐怖と、実話としての信仰の両面を持つ、日本文化における象徴的な女性像です。
伝承地マップ
※地図上の赤い円は、その妖怪の主な影響範囲または伝説の広がりを示します。